Web受託制作企業からドワンゴに転職して思ったこと

この記事は 『ドワンゴ Advent Calendar 2022』 16日目の記事です。

はじめに

はじめまして。 2022年8月にドワンゴへ中途入社した、フロントエンドエンジニアの ryo_w / tamaと申します。 現在は「ニコニコ動画」のPC版開発チームにジョインし、業務を進めています。

もともとは、Web系の受託制作企業に3年間ほど在籍していました。入社から4か月ほどが経ち多少業務にも慣れてきたタイミングですので、前職と比較して変わったところや、「転職してぶっちゃけどう?」みたいなところをお話できればと思います。

記事の目的と、想定読者

Web系業界では「受託制作企業」→「自社サービス企業」というキャリアチェンジを検討している方はわりと多いかと思うので、一例として参考にしていただければと思います。

また、「最近のドワンゴ」に中途入社した方のコメントは比較的情報が少ない気もするので、ドワンゴでのエンジニア業務が気になっている方もぜひご覧ください。

今やっていること

主にTypeScript、Reactを中心に用いたフロントエンド開発を担当し、「ニコニコ動画」の機能追加や変更を行なっています。 ときどきPHPのコードを触る機会もあります。

前職でやっていたこと

2019年8月にWeb業界未経験の状態から受託制作会社に入社し、下記のような案件を3年間経験しました。

  • 大手企業のWebサイト運用
  • 広告用LPの制作
  • WordPressを用いたWebサイト開発
  • 実証実験用など、比較的小規模のSPA開発

TypeScript, React, Gatsby.jsなどを用いたいわゆる「モダンフロントエンド」系の案件もいくつか経験しましたが、所属していたチームの性質もあり、主として「ページ制作」に関わるのが中心でした。

当時の私のスキル感としては、ざっくり以下のような状況でした。

できる

  • HTML, CSSのマークアップは得意。中程度の難易度であれば、高いデザイン再現性をもったサイト制作ができる。
  • プレーンなJSやjQueryはある程度書き慣れており、Webサイトで頻出のたいていの機能(開閉メニューなど)は普通に実装できる。
  • 小規模なReactアプリケーションの開発実務経験がある。主な周辺技術として、Gatsby.js, Next.js, Reduxなどを基礎レベルなら触れる。
  • フロントエンドのエコシステムについて基礎知識がある。npm, babel, webpack, tsconfig, ESLintなどの扱い方を最低限理解している。

できない

  • サーバーサイド開発に関する直接的な実務経験がほぼなく、ごく小規模の自主開発や座学レベルの知識にとどまる。
  • 大規模なサービスを長期的に開発、運用した経験に乏しい。あくまで「納品するまで」という関わり方が多かった。

転職をしようと思った理由

前職に大きな不満があったわけではまったくなかったのですが、

  • コンテンツ産業(とくに音楽やアニメなどのサブカルチャー)にエンジニアとして関わってみたかった
  • より高い開発レベルの現場で、1つのWebサービスに継続的にコミットするような経験を積んでみたくなった

という2点が大きな理由としてありました。そこで、コンテンツ系のサービスを運営している企業を中心に転職活動を行い、縁あってドワンゴに入社しました。

転職して変わったと思うこと

さて、長い前座になってしまいましたが、ここからが本題となります。

周囲の技術レベルが非常に高い

転職によって私自身が携わる案件の技術的な難易度が上がったため、企業というよりは環境の変化が大きな理由ですね(前職にも技術レベルの高いエンジニアは何名もいました)。

とくに驚いたのは、私の所属する「フロントエンド」のチームでも、サーバーサイドやインフラ方面の知識をしっかりと持ったマルチなエンジニアが多い点です。

前職では周囲に比較的ジュニア寄りのメンバーが多いチームに所属していたため「自分が詳しい側」という状況になりがちでもあったのですが、現在は熟練のエンジニアや、若手でも私よりずっとスキルの高いエンジニアと接しているため、非常に大きな刺激を受けています(いい意味での焦りもある!)。

プロダクト特有のドメイン知識が非常に多い

これは「大規模サービス」と関わる上では避けては通れないものではあります。

よくも悪くも、Webサイトを中心とした受託制作では比較的短期間のスパンで「企画→実装→納品」というプロセスを回していくような仕事の進め方が中心でした。

一方で、サービス開発の場合はそのサービスの運営期間ぶんの長い歴史があります。国内でも有数の老舗サービスである「ニコニコ動画」では、現状の仕様理解も一筋縄ではいきません。

「そもそもどういう動作をするのが正しい挙動なのか」「この実装はどういった意図で行われているのか」を自分で適切に汲み取れればよいですが、もちろんメンバーに確認、相談しないと判断できない内容も多くあるので、積極的に情報をキャッチアップしていく能力が求められると感じています。

テストやデプロイ自動化などの文化が進んでいる

これも大規模なサービス開発現場の特徴ではあるかもしれません。 安定性以上にスピード感の必要な受託制作の現場だと「簡易な環境を作って、使い捨てる」というやり方を取るシーンも多く、なかなかそういった環境を整備するのが難しい側面もありました。

ドワンゴではJenkinsやSlack Botなどを活用した仕組みがしっかりとメンバーによって運用されている(規模の大きさゆえ、はじめは理解が難しいこともあります。笑)ので、こういった面はエンジニアに強みのある企業ならではだと驚きました。

また同時に、こういった仕組みはきちんとしたメンテナンスがされていないと「腐り」がちなものでもあり、その運用をどうやっていくべきかという観点も重要だと実感しました。

私自身、現在フロントエンドチームで利用しているリポジトリの整備タスクなどにも取り組んでおり、Webサービスを運用していくことの難しさを学んでいます。

エンジニアがスケジュールに裁量権を持つぶん、むしろ的確なスケジュール管理能力が求められる

自社サービスの開発でももちろん「納期」は存在しますが、「最終的には決まったスケジュールで納品するのが契約上の原則」という受託制作の現場に比べると、エンジニア間で相談し、開発期間などの調整を打診する場面も増えました。

ですが、これは 「ゆるくなった」わけではなく「自分の引いているスケジュールに自分できちんと責任を負う必要がある」 という面が大きいと思います。想定よりスケジュールが遅れてしまえば当然後続のタスクにも影響が出ますし、今後は「納期」だけでなく「どうスケジュールを組み立てていくか?」という全体を見渡していく必要があると考えています。

新機能(あるいは不具合、、)を出したときにユーザーから即時にレスポンスがある

自社サービス開発、とくにtoCのサービスに関わる上での一番のやりがいは、やはりここなのではないかと思います。

もちろん受託制作でも完成したWebサイトに対して評価をいただけることなどはあり、やりがいに繋がっていましたが、Twitterなどでユーザーのリアルな反応が見られるWebサービスを開発するのはとても興味深いです。

余談として、私は一度不具合のある本番リリースをしてしまったことがあるのですが、そのときの「不具合?」というユーザーの反応を見て、背筋の伸びる思いがしました。幸い、短期間で修正することができましたが、、。

過去の経験が活かせると感じたこと

そんな変化があった中で、私が中途入社だからこそ活かせるスキルもあると感じました。

現場経験による、細かいフロントエンド知識

技術レベルでみると私はまだまだチームメンバーにまったく追いつけていない、、と痛感する毎日です。とはいえ、過去の経験上、たとえば

  • こういうCSS, JSなどの書き方は後々トラブルの原因になりやすい

といった嗅覚は多少あります。

これは「ひとつではなく、さまざまな幅広い案件に関わることができる」受託制作で培われてきたものだと感じますし、「ニコニコ動画」という特定の1サービスに関わっている今でも役立つ能力だと思っています。

エンジニア/非エンジニアとのコミュニケーションスキル

受託開発の現場では営業、ディレクター、デザイナー、あるいは先方企業とやり取りする機会が多く、スピード感をもってコミュニケーションを取ることを求められていました。

私自身、当時チームのリーダーを経験していたのもあり「エンジニア(技術)的な内容を平易にして周囲に伝える」などをわりと得意としており、そういった能力は自社開発の現場においても役立っています。

おわりに

結論として、私はもともと転職に求めていた

  • コンテンツ産業(特に音楽やアニメなどのサブカルチャー)にエンジニアとして関わってみたかった
  • より高い開発レベルの現場で、一つのWebサービスに継続的にコミットするような経験を積んでみたくなった

という希望を満たすことができている今の環境がとても楽しく、成長できるような場だと感じています。

ステップアップでの転職を検討されているエンジニアの方は「次の会社できちんと働けるだろうか」と不安になることもあると思いますが、必ずこれまでの経験はどこかで役立つはずです。

私自身、今はまだまだ頼りない状態ではありますが、今後も中途入社者ならではのバリューが発揮できるように頑張っていきたいです。

もしドワンゴでのエンジニア業務が気になった方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に働きましょう!

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